射法全般 弓具について

【弓道を存続の危機から救うには】これから必要なレギュレーション

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現在弓道のルールは1つしかありません。そしてこれが大きな問題なわけです。
そして弓道の大会は的中のみを競う形式か、採点性です。
特に日本最大級の大会において段位制限と採点性が採用されているのは奇妙なことであり、競技力の低下の一因と考えます。
今後のためにも新しい競技規則を提案致しますので是非使用して試合をしてみてください。

様々なコンセプトに分けてルールを作成し、多様な弓の用途に対応した規則があることで競技力の向上を図れると思います。
これからの時代、見て楽しい・やって楽しい弓を引いていかなければならないのですから。

オープンルール

・近的競技の距離は28m、遠的競技は60mとする。
・的は近的直径36㎝、遠的100㎝の円形のものとする。
・体配は安全と進行に配慮する限り自由である。弓具規定
いずれの弓具も自身の体躯に見合った安全な道具を使用すること。
いかなる電子機器も用いることはできない。弓:製法や材質は問わないが日本製の和弓を用いること。短弓の使用は認めない。
クリッカーの使用は禁止とし和弓の見た目を著しく変容させるスタビライザーなどの付属品は認めない。
矢摺り部分を削る加工(いわゆるウィンドウ)は認めない。
和弓とは:長さは目安を6尺8寸(約206cm)~7尺9寸(約239㎝)とし、体格によって長短を認める。
握りと籐の境目は下方から21分の8の長さ付近とするが、多少の上下を認める。
弓は分割できないものを用い、持ち手付近を極端に太くするなど必要以上の補強を禁止する。
照準器は握り付近に印をつけ一点照準として用いることができる(籐の印を含む)。
レンズや水準器、拡大機能の付いた機器は用いることはできない。

弦:弦の素材は問わないが、弦自体ではなく弓の弾性を主に発揮させる素材に限る。
照準の助けとなる装置の装着は認めない。

矢: 篦の太さは6㎜以上とする。
篦の材質は問わない。
羽根は2~4枚取り付けるものとし、材質は問わない。鳥の羽を用いる場合は鳥獣保護に関する法律を順守すること。
本矧、末矧および筈巻があること。
羽丈(羽根の長さ)は、9cm~15cmとする。
矢自体に推進力を生む構造を持たないこと。
板付はかぶせ式を用いること。

弽:材質は問わないが日本製で手袋状のものであること。
蒙古式の取り掛けで使用すること。
右手(逆引きならば左手)のみで操作する構造であること。

服装、補助具:弓手を保護する器具は認めるが、照準の補助となってはならない。
服装は問わないが、安全に配慮すること。
関節可動域を制限する補助具や筋力強化のための器具の使用は認めない。
足袋は柔らかいものでなければならない。

ここでは全国で実施可能な汎用性を担保するため距離と的を共通のルールとする。
もちろん、距離や的の大きさは自由に変えて楽しむことも可能であろうし、制限時間などを設けて速射を楽しむのも良いだろう。

コンセプト:最も自由度が高く、それゆえに道具および技術の発展に最も寄与するようになっています。
和弓を扱っているすべての弓引きが参加できるよう調整されたルールです。

日本製としたのは国内産業を守るためです。もし海外製品が半分の値段で中身はともかく見た目が同じであれば買う人は少なくないものです。関税で守らないのであればルールで守るしかありません。
そして次に、もし理想的な新素材が発見され和弓の形をしながらもコンパウンドf-x曲線を描く弾性の弓ができてしまったらこれはどうでしょうか。
現在のグラスカーボン弓は普及という意味で役割を果たしていますが、さらに進んで競技力の高さだけを意図した弓の登場はいったいどう考えるべきでしょうか。
当然伝統的和弓の技術は必要なくなってきます。これは和弓と言えるでしょうか。必ずどこかで和弓とそれ以上のものを区別する時がやってくることは知っておかなければなりません。
今後はそういったことも視野にいれてルールを考えなくてはならなくなるでしょう。両手放しですべてを受け入れる時代は終わりです。
ルールはシンプルなほうがいいのですが、弓である限り、弓として最も性能が高いアーチェリーの用具を意識したルール設定は和弓として存続するのに必須と思われるためこのような表記としました。

デメリット:なし
このように書くと、間違いなく国際化の障害になるという意見が出てきます。
和弓はオリンピック競技ではなく、知名度の低いマイナースポーツであり、世界としても各国の伝統弓術のうちの1つでしかありません。
海外製の弓具を容認することはジュラルミン矢でみられるとおり、新規参入者の敷居を下げることには貢献しますが、その後の動向をみていくと全く競技力に貢献しない一部の商業カーボン矢登場の現状が見えてきます。
和弓という伝統弓術としての特色を守り続けるには弓具を守ることが絶対条件である以上、10年後もあるかどうかわからないような「国際化の流行」に乗ってはならないはずです。

素材制限ルール

弓具規定において、素材を規定したレギュレーションである。装飾に関しては素材を問わない。
・伝統素材
弓は竹弓を使用する。カーボン素材などの内蔵は認めないが接着剤は問わない。
弦は麻、あるいは苧を使用すること。
矢は竹矢、羽は鳥の羽を使用すること。
弽は鹿革、控えは牛革等とする。堅帽子の場合は木や動物の角の帽子を用いること。

コンセプト:職人産業を守り、制限された素材の中での道具発展を意図します。
当然のことですが、飛貫中久を意識した道具の発展が求められます。
現状、弦の使用を規定した大会は存在しておらず、十年先に麻弦が存在している保証はありません。
竹矢についても矢竹から篦を作っている工房は全国に4か所ほどで、その他は矧付けなどで銘打っているだけです。
優先して守らなければならないことは明らかです。

デメリット:競技参加への敷居は高くなります

オマケ:矢速レギュレーション

巻き藁場で矢の速度を測る。

今は巻き藁一つあればクローニー弾速計を用いて矢の速度を測ることができます。
矢の速度は長弓である和弓にとって伝統的に重要な指標です。
一昔前までは繰矢や遠矢、堅物射がありましたが、時代も変わり、開催されなくなってしまいました。
その代替手段として大会のサブイベントとして行うこともできますので導入が望まれます。
もちろん、単純な速度の勝負だとボディビルダーを連れてきて離れさえできれば優勝、ということになってしまいますから和弓の技能を問う形式にはなりません。
そのため、理論値から計算された矢速からみたエネルギー効率を点数化したり、一般的な平均値から偏差値を計算したりなど工夫が必要です。

デメリット:矢の飛行姿勢、矢の形状についての知識は失われる。

マッチ形式

アーチェリーにおいて行われるようになったいわゆるマッチ形式ですが、これは試合時間の短縮も兼ねた変更でした。
見て楽しい弓の象徴でもあります。
予選が2射のこともあり総的中数を争う弓道では試合時間の短縮にはならず、導入は見送らざるを得ません。

一つしかないルールは諍いを生むもとです。

一つのルールであるからこそ、高齢者と若者との溝ができ、伝統流派とスポーツ弓道との溝ができます。

和弓を続けていく若者は減り、悪循環になります。解消するにはルールによる棲み分けは必須なのです。

 

また、我々は和弓を引くものです。伝統的な和弓を用いながらも競技としてのレベルを向上させていかなければなりません。

的中が最も重要であることは疑いの余地がありません。しかし決して他の弓と競うものではなく同じ和弓というレギュレーションで戦うのが我々です。

必ずどこかで和弓とそれ以上のものを区別する時がやってきます。人間は自動車とかけっこはしません。

 

今回の新ルール提言は主に弓具規定や新たな形式を行うことによって競技力の向上や弓具の発展を求めます。

これは和弓の発展、存続において非常に重要なことになってきます。⇒弓道が存続の危機にある理由

これからの和弓の存続ために我々こそがルールを考えていかなければなりません。

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