ゆがけは射術を決めてしまうもの。
弓道において弽の選定は上級者ならば慎重になること間違いありません。編集長のKouがお送りします。
本記事は上級者向けですので初心者は鵜呑みにすると暴発や早気等の危険性があるので注意してもらいたいと思います。
また、弽については多くの弓具店を回り弽を見てきたつもりですが私もすべての弽を使ったことがあるわけではありません。
一説に過ぎない点もあります。議論の種にしてもらえれば幸いです。
流派が決まって射術が安定し、「矢尺が一定になる、手首の角度が一定になり射癖も減って的中も出ている」ようになったら弽の新調を考えても良いでしょう。
また、指導者は後輩たちの弽をチェックし、時には修理やメンテナンスをするのにこの記事を役立ててもらいたいと思います。
やろうとすれば弽は人をもたれにすることも早気にすることもできてしまうものです。それほど引き取りに影響が出ます。
流派によって使う弽も違うため、自分の流派に合った弽をオーダーするのが合理でしょう。
弽の生命は控えの柔らかさと弦絡みの調整であり、十分に考慮しましょう。
控えの柔らかさ
弦溝の深さ
弦枕・弦溝の向きと位置
帽子の形
これらのパーツがそれぞれ組み合わさって流派を形成しており、それぞれ勝手手の内が違い、弽選びは難しくなってきます。
弽はいきなり現在の弽とかけ離れたものをオーダーするのではなく、まず修理やメンテナンスで調整して様子を見てから行った方が賢明だとおもいます。
また、中古品を手に入れて試用してみるのも良い方法です。
どの種類の弽にするか
弽を選ぶ
一応私が知っている弽を列挙しておきます(現在作ってもらえる物に限る)。
流派については出身の記載。現在はいろいろな弽を作っている場合も多く、その流派の弽しか作ってもらえないわけではありません。
大洋弓具製作所;孝義銘, 絹義銘(北海道) 流派:特になし
岡崎弓具店;無争弽(山形県)流派:無争流
遠藤豊國弓具工房;豊國銘(福島県)流派:日置流雪荷派
斤冢銘(埼玉県)流派:不明
千葉弓具店;彀銘 幸弘銘(埼玉県)流派:日置流印西派・本多流他
弓具工房静動:小沼静動銘(東京都)流派:日置流雪荷派、小笠原流
アサヒ弓具;豊月銘(東京都)流派:日置流雪荷派、小笠原流
小山弓具 仁鵬銘 (東京都)流派:小笠原流
長谷川弓具(東京都)(現在は加藤弓具特注品)流派:特になし
小林弓具店;澄心銘(山梨県)流派:不明
甲賀弓具店など 元則銘(静岡県)流派:特になし
萩原ゆがけ工房 正澄銘(静岡県)流派:特になし
朝矢弓具店 朝嵐銘他 流派:日置流印西派?
加藤弓具店;翔鳳 寛鋭 千山,他(愛知県)流派:特になし
松波佐平弓具店;尾州がけ(現在は加藤弓具特注品)(愛知県) 流派:尾州竹林派
ヤマト弓具店;銘なし (愛知県)流派:竹林派
象水銘(奈良県)流派:竹林派
征矢弓具製作所(福岡県)流派:特になし
安部弓具店;貞勝銘(大分県)流派:竹林派
以前にも書きましたが、最高を追い求めるとかなりの知識根気、資金と運が要ります。
実際には自分のフィーリングになる部分もあるわけですが、的中に左右する勘所というのはある程度決まっています。
というわけで今回は上級者向けの弽の選び方でした。議論を呼ぶところもあると思います。
不明な点も多いため記事中の誤りや議論はお問い合わせ等から是非ご指摘ください。
また、他にも今日から使える有用情報がたくさんありますので是非見ていってください。
アフィリエイト等広告無し無料サイト「弓道大学」編集長
弓道の理解し辛い部分を原理原則から演繹し考察します。
全国規模大会で団体優勝の経験もさせてもらいました。
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