弦音に対する無知、技術の上達に関する理解の無さからくる誤謬。
予てより弦音は多数の流派において技術の高さや身体と道具のマッチングの指標として用いられてきた。
特に日置流印西派では、弦拍子を最上として技術的な向上による「弦子、弦音、弦拍子」という段階分けを行っていた。
しかし現在では硬いザイロン弦の登場と大きな関板によって、技術よりも先に誰でも高い音(音階が高いだけであり決して弦拍子ではない)を出すことができるようになってしまった。
高い音を出して自己満足に浸ることは止めないが、
無意味に高い音を出すことは36.5度までしか測ることのできない体温計を使って体調を知ろうとするがごとき愚行である。